【ストーリー】
ジュゼッペは、レストランのウェイター。仲間からは「トリツカレ男」と呼ばれている。彼は何かが好きになると、寝食を忘れて没頭してしまう。オペラ、探偵、昆虫採集、外国語……。次から次へと熱中し、三段跳びではなんと世界新記録を達成! そんな彼が、ある日、恋をした。相手は、外国から来た無口な少女・ペチカ。彼女は胸の中にたくさんの哀しみを抱えていた。ジュゼッぺは、もてる技のすべてを駆使して、ペチカを幸せにしようとする。そして……。
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【解説】
いしいしんじさんとの出会いは、新潮文庫の『ぶらんこ乗り』でした。その鮮烈な詩情に、読みながら、何度も震えました。しかし、『トリツカレ男』は震えるだけではすまなかった。涙と鼻水で呼吸困難になって、頭痛まで襲ってきて。読み終わると同時に、僕はいしいさんに連絡しました。「芝居にさせてください! 今すぐ!」と。人が人を好きになること。それは、九九や逆上がりのように、誰でもできることなのに、なぜかとっても難しい。誰もが迷い、苦しむ。だから、世の中にはラブストーリーが溢れているのでしょう。『トリツカレ男』もラブストーリーですが、これほどピュアで、ストレートで、熱い物語は他にありません。迷っている人、苦しんでいる人に、ぜひ見に来てほしい。ジュゼッペの生きざまが、胸の中のモヤモヤを吹き飛ばすでしょう。吹き飛ばせるように、頑張ります。
成井豊
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