雨と夢のあとに キャラメルボックス音楽劇2007
『サボテンの花』

原作:宮部みゆき「サボテンの花」(文藝春秋「我らが隣人の犯罪」所収)
脚本:成井豊
演出:成井豊+白井直

◆大阪公演◆
2007年3月1日(木)〜6日(火)
イオン化粧品 シアターBRAVA!
主催 読売テレビ
協力 キョードー大阪松竹株式会社
料金〈全席指定・税込〉
S指定席(1・2階A〜D列)6,000円 A指定席(2階E〜J列)5,000円
前売開始 2007年1月14日(日)

詳細情報

◆東京公演◆
2007年3月14日(水)〜4月1日(日)
シアターアプル
主催 日本テレビ
協力 松竹株式会社
料金〈全席指定・税込〉6,000円
前売開始 2007年1月28日(日)

詳細情報






■CAST
西川浩幸
菅野良一
岡田さつき
前田綾
篠田剛
青山千洋
渡邊安理
阿部丈二
多田直人
石原善暢
小林千恵
阿部祐介
井上麻美子

■GUEST
コング桑田


先生はいつも全力で直球を投げ続けた/成井豊

高校を卒業して、今年で27年になる。
3年生の時の担任は、現代国語の先生で、あだなが「エーシ」。
下のお名前が「穎司」だったからで、
僕ら教え子は、不遜にも、恩師を呼び捨てにしていたわけだ。
(もちろん、先生がいない所で、です)
先生の授業は強烈だった。
新しい単元に入ると、まず、先生が作ったプリントの束が配られる。
そこには、教材の文章に対する先生の読みが書かれていて、
ところどころに空欄がある。
授業はひたすら空欄を埋めることに費やされる。
「この部分について、みんなはどう思う?」という問いかけなどない。
先生の読みを完成させることがすべて。
つまり、生徒の僕らは、先生の読みを一方的に押しつけられるだけ。
しかも、先生の文章は極端に難解で、空欄はなかなか埋まらない。
「わかりません」が10人続くことも珍しくなかった。
「あんなの国語の授業じゃない」と先生を嫌うヤツも何人かいた。
が、僕は好きだった。
先生の読みは確かに難しい。が、ムチャクチャためになる。
僕は、先生の授業で初めて、芥川龍之介のおもしろさを知った。
27年経っても、あの時、学んだことは忘れていない。
先生はいつも全力で直球を投げ続けた。
そんな授業をする人は、後にも先にも、先生だけだった。
卒業して4年後、僕は教育実習で先生の指導を仰いだ。
先生は僕の好きにやらせてくれた。
芝居を始め、自分の作品が出版されるようになると、
僕は内心ビクビクしながら、先生にお送りした。
そして、今年の8月、同窓会で23年ぶりに先生にお会いした。
先生は両手を広げて、「成井の本がこんなにたまった」と笑われた。
うれしかった。少なくとも、捨てられてはいなかったのだ。
僕には恩師がいる。
この人と出会ったおかげで物書きになれたと、僕は胸が張れる。
これはとても幸福なことだと思う。

【STORY】
一月。三学期が始まったばかりの、都内のある小学校。
教頭をつとめる権藤に、驚くべきニュースが飛びこんできた。
ワンパクで有名な六年一組の子供たちが、
卒業研究のテーマを「サボテンの超能力」に決めたというのだ。
サボテンには人間の心がわかる、それを僕らの力で証明してみせると。
教師一同は大反対。
しかし、権藤は子供たちの強い意志に打たれ、教師たちを説得する。
すると、子供たちは研究と称して、次から次へと事件を起こす。
三月末には定年を迎え、教壇を去る権藤。
はたして権藤は無事に退職できるだろうか?
子供たちは「サボテンの超能力」を証明できるだろうか?
60歳の権藤と、12歳の子供たちの、熱いバトルが今、始まる!





イラストレーション+タイトルロゴ:木内達朗(東京目印)
photo:taro(Cre-Sea)