REVENGE!!

2年ぶりの単独新作へ向けて執筆活動を開始した作家・成井豊。
自分の目指しているものがはっきり見えてきたと語る役者・西川浩幸。
誰も知らないキャラメルの最新作が、いまちょっとだけ明かされる?!



成井 西川くん『俺たちは志士じゃない』本当にお疲れ様でした (笑)。

西川 正直に言うとまだ終わってないんですけど…… (笑)。

成井 そうとも言うけど。

西川 後9ステージ、でもアッという間ですね。ダブルキャストなので、片方づつの回数で数えると、本当に少ないんだなって。

成井 そうそう、21ステージづつだからね。西川は正月からずーっと芝居でしょ?休みがないんじゃないの?

西川 いや、でも『BRIDGE』の間、地方公演から帰ってきてからの1週間はーーー

成井 休めたんだ。

加藤 でも、『BRIDGE』に来てたじゃん。

西川 劇場に5日ぐらいいました (笑)。

加藤 1回でてました (笑)。

成井 外部出演があったり、キャラメルの公演も長いし、『BRIDGE』もあったりとかで、ずーっと芝居をやってるけど疲れない?あんまり疲れているようには見えないから聞くんだけど、疲れてる?

西川 いや、体のことで言うと全然疲れないですね。なんか最近は疲れを感じない体になってきていて、例えばバラシとかあると、時間が経てば経つほど、どんどん疲れなくなってくるんですよ。

成井 それって、脳の中の疲れを感じる神経が麻痺しちゃってるんじゃ……。

西川 ヤバイのかもしれないんですけど (笑)。突然死しちゃうとか。

成井 そうそう (笑)。すごい過労状態なんだけど、感じてないだけなのかも。

西川 でも、精神的に言うと、芝居をやっていると元気ですよね。まわりに人がいっぱいいますし、発散というか出してますからね。だから坂口みたいに、何にもしないで、ベッドの上にくくりつけられるのは、やっぱりキツイだろうなって思います。開き直っちゃえばそれはそれで楽だろなとは思いますけど。今年にかんして言えば、劇場にいるのが当り前という感じで、楽しいですね。特に今は、楽屋にいてもとても面白いので……。

成井 ふ〜ん、楽屋の雰囲気は演出の僕には分からないですけどね。時々楽しそうな笑い声が聞こえますけど、つまらないギャグでも誰かが言ってるんでしょうかね。

西川 というわけで、いよいよ『さよならノーチラス号』。

成井 いよいよですね。

西川 これは何と言ったらいいんでしょう、リベンジというか (笑)。

成井 リベンジ(笑)!! いや〜もう、本当にそうだよね。冬に演目変更になった時は本当に悔しかったですね。

西川 その去年の冬に考えていたものとは、内容が変わると聞いたんですが。

成井 変わります!! 実を言うと科白は2つだけ残っています(笑)。今はまだ、台本は14シーンの内の2シーン半しか書いてないんですけど、ストーリーとか登場人物はまるで違います。なんだけど、ちょっと科白で同じような科白が……。でも、お客さんはもともとの台本を知っているわけではないから分からないよね。新作ですし、去年の冬の作品とはまったく関係がありません。一部では某プロデューサーがノーチラス号はバスだったなんて言ってますけど、全然違います。

加藤 だってあの時はそうだったじゃないですか (笑) 。

西川 一説によると静かな作品になるのではないかという噂があるのですが……。

成井 キャラメルは公演回数が多くて、年に4本もやってると流れというのがでてくると思うんですよ。例えば元気な活劇系の芝居が続くと「もうこんなのやってらんないよ。静かなのやりてーよ」で、アコースティックをやっちゃうと「元気がないよ。もっと殺陣やりたいよ」ってゆうふうに波がくるのね。で、去年から今年のラインナップを考えると活劇が続いていると思うんですよ。

西川 そうですね。

成井 で、自分でも本当に静かなものをしたくなっちゃったんで、静かです。

西川 スクーデリアエレクトロの曲は使うんですよね。

成井 使います。

西川 あの曲は、静かというのとはちょっと違う所にあるじゃないですか。

成井 静かだとは言いましたけれど、スクーデリアの曲を聴きながら書いていて、僕はあの雰囲気が好きだし、芝居にもスクーデリアの持っている雰囲気というのを当然いかそうと思っています。ダンスも有りますから、静かと言ってもそんなに、曲が1曲もかからないで、みんなお茶の間でブツブツ話をしているとかそういうのじゃなくて、ちゃんと事件も起きますし、笑いもあるし、でも静かで自分の中では、『ハックルベリーにさよならを』が1番近い雰囲気、もしくは『ナツヤスミ語辞典』かな。新作の時はストーリーを言わないんだよね。だから、言いたいけど言えないな。

加藤 ちらっと。

成井 ちらっとって言っちゃっていいの (笑)?

西川 アコースティックシアターというのがあるじゃないですか、別に成井さんの作品に静かなのがなかったというわけではないんですがーーー

成井 アコースティックシアターというのを定義するとするならば、現代が舞台で、家族ものもあるけれでも、やはり男女の間の愛情というのがテーマになるのがアコースティックシアターだと僕は思ってます。それでいくと僕の芝居というのは現代もあるけれども、現代の時は活劇が多いんですよ。例えば『ブリザード・ミュージック』だったら、あれもアコースティックな味わいが少しはあるかもしれないけど、舞台になるのは50年前の宮沢賢治の時代が舞台じゃないですか。僕は現代のこの1998年のこの世の中を、そのまま舞台の上にのせたいという意欲は全くないんです。むしろ、過去とか、逆に近未来とかというものの方を描きたくって、風俗は描きたくないの。この話をすると長くなっちゃうんだけど……。

西川 それじゃ中略して、なるほどそういうことだったんですか (笑)。

成井  (笑)

西川 詳しいことはゆくゆく、1冊の本として出す予定であります(笑)。さて、夏は去年の冬に続いてまたあの男が帰ってきて、きっと劇場中が大騒ぎになることが予想されるのですがーーー

成井 でも去年の冬の時は、本当にお客さんのマナーが良くって、プロデューサーの脅しが効いたのか、黄色い下敷きが効いたのか本当に解りませんけど、フラッシュなんて1回もなかったし、おしゃべりも減ったし、本当にお客さんに感謝したくて、だからその点に関しては全然心配していません。

西川 たくさんお客さんが来るというのが予想されるーーー

成井 そうだよね。

西川 その夏の公演の上川隆也はどんな役なんですか?

成井 今までにやったことのないタイプだと思いますね。

西川 そうなんですか。

成井 うん、出ずっぱりなんだけれども、科白は少ないと思います。すごくぶっきらぼうで寡黙な男。

西川 いつもは僕が担当するーーー

成井 違います。

西川  (笑)

成井 どちらかというと、いつもは近江谷がやるよゆなと言った方がいいかもしれない。上川とはちゃんと話をしているわけではないけど、やっぱりいろんな役をやりたいと思うからね。上川にとっても1つの挑戦になったらいいなと思っています。でも、前に上川が言ってたんだよ。科白の少ない役をやってみたいって。

西川 まあ、でも『IDO』のお花見バージョンのCMのイメージが定着してもあれですしーーー

成井  (笑)

西川 ここはちょっとピッとしめた方がいいですよね。でも僕はあれはあれでとても好きですけどね (笑)。

成井 寡黙な男の役でも上川ギャグはやるんじゃないの?

西川 やるでしょうね。黙っている役ってオイシイんですよね。何をいいだすんだろうってみんな思うから。

加藤 上川に今度静かな芝居だって言ったら、「大丈夫です。僕がでますから」って言ってましたよ (笑)。

成井 (笑)いや、でも静かな役だからな〜。上川どうするんだろう?でも、西川だってきっと今までにやったことのない役ですからね。

加藤 ねこですか?

成井 違います (笑)。

西川 主婦じゃないですよね (笑)。

成井 (笑)そんなことはないですけど。アンケートに「いつも役者さん達、同じ様なかんじの役をやってますね」って書く人も中にはいますが、僕は全然そんなことを思ってなくて、役者達にいろんな役ができるようになって欲しいし、実際に人間的にもいろんな面を持っていると思っているわけですよ。それで、今回だったら西川も上川も坂口も全然違う、今までにやったことのない役なんで、それは楽しみですよ。「苦労するだろうな、ざまあみろ」とも思うけど(笑)。みんなわりと新しい挑戦というかんじになるんじゃないかな?僕もそうなんですけどね。僕自身も、『俺のコレ』というのをこの芝居で出すのでーーー

西川 MY ONEですね (笑)。

成井 若手も今までと違った役で、予定では●●は▲▲と殴りあいの■■をするはずです。

西川 ほ〜、そんなことを(笑)。今回は前代未聞のステージ数ということなんですが……。

成井 あー、50ステージを初めて超えちゃうんだよね。

西川 51ステージです。イチローの背番号と一緒なんです。

成井 今までは『ナツヤスミ語辞典』の再演の48?44かな?が最高のはずです。

西川 しかも劇場は2つなので、一カ所で長いと。

成井 そうです。サンシャインで36ステージですか。これはもう、精神的にも体力的にも本当にキツイですね。しかも暑い夏ですからね。

西川 それじゃ、クーラーをガンガンにきかせて。

成井 (笑)いや、そういう意味じゃなくて。でも、観たいと言ってくれるお客さんがそれだけいるんだから、期待には応えないといけないし、お客さんにあえるのは僕らは嬉しいわけなんだかね。100やれとか1000やれとか言っているをけじゃないんだから、51ぐらいがんばって欲しいよね。西川は今後どんなことをやっていきたいの?

西川 僕は最近やっと、自分の中で迷っていたものが集約されていきて、とにかくもっと大きな芝居をしたいなと思ったんですよ。まあ、アプルでやってますけれども、もっとでっかい所例えば、ニッセイとか演舞場の舞台に立っても通用するような大きさを持てるよになりたいなとすっごく思いました。それは、もっとすごくわかりやすくすることなのか、もっと単純にすることなのか、もっと深くすることなのかわかんないんですけど……。

成井 きっと今言った全部なんだろうね。

西川 僕はこの間、劇団☆新感線を観ていてすごく思ったんですけど、みんなすごくわかりやすくなったなと思って、それはきっと古田さんとかが、NODA MAPとか他の劇団の芝居にいっぱい出たりとかして、いろんな思いをしたりして、そういう風になっていくるんだろうなと思って、あまり自分の細かい所できゅうきゅうにならないで、おおらかに、青空のように……。

成井 西川はテレビとか出るようになったから、逆に細やかな芝居を志向しているのかな?と思ってたんだけど、逆なんだ。

西川 そういうことを考えていたこともあったんですけど、それは映像をやった当初はそういうことが出来なかったから、でもそれはもちろんやったうえでというか、それってようするに、相手に対することだと思うんですよ。そういうんじゃなくて、遠くにいる人に、本当に一番遠くにいる人が楽しめるんじゃないと、大きな所でやる資格はないんじゃないかとすごく思うんですよ。プロレスーがすごく大きな会場でやるときに、でも一番後ろでも泣けるわけですよ。すばらしい試合だと。体の大きさは僕らと変わらないのに……。僕はそういうのが好きなんだと思ったので、そっちを追及していきたいなと思ったんですよ。どこでよるにしても、その劇場の一番後ろの人にピシッと矢のように飛んでいかせる。ここ何年かず〜と迷っていたものが、これで1つに集約されたんですよ最近。

成井 ふ〜ん。僕が結局やりたいことっていうのは、1つは『ハックル〜』で、1つは『ブリザード〜』、あとは『また逢おうと竜馬は言った』みたいなパターンもあるんだろうけど、もうスペクタクルはいいじゃんって思った。

西川 僕はキャラメルに今、もっとも波及させたいと思っているのは、いかに相手を大きく動かして、それを受け取ってお客さんに観せるか。それのやり合いをしていけば、すごく変わるだろうなと。

成井 その通りだろうね。

西川 本当に相手が死ぬほど笑っちゃうようなギャグとか「もうダメ、ダメ、やめて〜〜〜」とかいう姿はきっと伝わるだろうと思うんです、本当だから。それと同じで「うわ、なんてカッコイイんだ」とか、「あっ、心がキューっとする」という思いを相手役にさせるぐらいやらないとーーー

成井 正しいし、よく考えてるじゃないですか。

西川 増幅させるハート ! ! (笑)

成井 それじゃ、まとめに入って、お客さんに何か一言。

西川 今年の夏は『さよならノーチラス号』と『ケンジ先生』でキャラメルの全てをおみせできると思いますので、僕は両方出るんですけrども、体を壊さないように鍛えつつ、隅々までおみせしたいなと。まぐろは全部食べられるとか、くじらはムダにするところがないぐらいにね、僕も全てをみせたいなと思います。どこを切り取ってもくじらはくじら (笑)。

成井 僕の方は真柴あずきと共同しない、僕1人で書く新作というのは2年ぶりなんです。『ケンジ先生』以来なんです。もう、こんなに間が空いたのは初めてで、ずーっと書き始めるまで恐怖感があったんですよ「書けるだろうか」って。それは、たぶん作家ならだれでも新作に取りかかる時には「失敗するんじゃないか」とか、「いきずまるんじゃないだろうか」とかきっと恐怖感と戦うんですね。でも、今も全然なくなっちゃったわけじゃないんだけど、話の構想が大体固まって、書き始めてみると楽しくなってきて、机に向かうのはすごく嫌なんだけど、でも新しいものをつくるんだという意気込みは本当に今強いですね。だから本当は、こいつにはこんな役をやらせるんだとか、こんなシーンがあるんだっとか、すごくすごく語りたいんだけど、これは言っちゃいけない約束だから(笑)
……静かだけれども面白い!!夏休みの話で、家族の話で、ボケもある!!そういうせつない物語をつくりたいですね。絶対新しいものをつくりますので是非観に来て欲しいです!!席は一杯ありますから!!


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