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『無伴奏ソナタ』初演パンフレットより観終わってから読んでください キャラメルボックス製作総指揮 加藤昌史 (2012年5月15日)

 昨年の震災後、この先どうなるのかわからないのなら、やりたいと思っていたことを出し惜しみせずにやりたい順番にやっていこう、と話し合いました。その結果生まれたのが、この「キャラメルボックス・アーリータイムス」というシリーズです。シリーズ第一弾のこの作品は、27年前のキャラメルボックス結成当時に劇団員に配られた「成井豊の読書案内」にすでに載っており、1987年の第4回公演『北風のうしろの国』のモチーフにもなったものです。今後も、キャラメルボックスの成立に大きな影響を与えてくれた作品の舞台化をおこなって自分たちの原点を見直していく、という作業をすることによって、今まで「無理だろう」と諦めていたことに挑戦する機会が生まれてくると思っています。

 今回、後半で出演者たちが実際に演奏していたスタンダードのアメリカ民謡以外のほとんどの曲は、SIBERIAN NEWSPAPERというバンドの皆さんに手がけていただきました。特に、前半でクリスチャンが「楽器」を使って演奏した曲は、「今まで世の中に無かった音楽を作ってください」というお願いを正面から受け止めて創ってくださいました。あれらの曲のメロディーを紡ぎ出していた不思議な音。あの音を出していた楽器は、シンセサイザーでもなんでもなく、「グラスハープ」。ワイングラスに水を入れて、そのふちを水を付けた指でこすることで音を出す、という、「かくし芸大会」などで披露されているので見たことがあるくらいの「楽器」ですが、「天使のオルガン」とも呼ばれていて紀元前から打楽器として存在していたそうです。

 SIBERIAN NEWSPAPERのヴァイオリニストである土屋雄作さんが思いつき、奏者を探してみたら、日本人で本当に数の少ないプロの奏者のうちのお一人である大橋エリさんとコンタクトが取れ、今回のレコーディングに参加していただくことができました。世界でもほぼ唯一の「水を使った楽器」。生まれながらの音楽の天才であるクリスチャンが森の中で発想した音として、これほどぴったりな「楽器」は無かったのでは無いでしょうか。そして、クリスチャンが弾くピアノ曲たち。スタンダードの名曲を、ジャズもクラシックもポップスも知らないクリスチャンが独創でひいたらどうなるのか、をSIBERIAN NEWSPAPERのピアニスト・藤田

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