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連載企画 流星ワゴンはこうして作られる第7回 成井豊 人生一番の分岐点とは?

成井豊×阿部丈二

阿部
成井さんの中で、人生の分岐点ってありますか?
成井
分岐点と言われたら、26歳の時。キャラメルボックスに専念するために公務員を辞めた時だね。あの瞬間に決定的になった。ものすごい博打だったね。その時点で、キャラメルボックスなんてまだ作って4年目くらいだからね。シアターアプルでやり始めたばかりの頃かな。全然食える状態じゃなかったけど辞めちゃったね。
阿部
生活の安定度で言ったら、公務員とは全然違う世界ですよね。
成井
そうなんだよ。それになにより、自分の演劇についての才能や将来性が全くわからなかったので、もう、本当に大博打でした。でも、自分の選んだ道は現時点では間違ってはなかったと思ってる。重大な分岐点ではあったけど、正しい選択だったのかなって。だから、永田みたいに「あの時点に戻りたい」というところはないんだよね。
阿部
永田のように「もう死んでもいいかなぁ」と思ったことはありますか?
成井
成井豊
僕ね、死んでもイイと思ったことが今まで一度もなくて。本当の意味で絶望したことがないの。人生の枝分かれになった重要な分岐点はあったけど、それが死に臨むようなものではなかったんだよね。
阿部
僕もないんです。成井さんほどまだ生きていないので、その年まで生きたらどうなるかわからないですけど(笑)。正直言うと、ものすごく酔っぱらった時に、「死んだ方が楽……なのかな」くらいは思ったことあるんです。でも、やっぱり酔いが覚めて考えると、その選択は僕にとってはありえないんですよね。家族が悲しむに決まってるじゃないですか。それはわかりきっていることなので。
成井
そうなんだよ。自分の命は本当に大切なんだけど、でも、たかだか自分の命にすぎなくて。人に迷惑はかけられないからね。
阿部
自分の命よりも大切な存在とか、守るべきものが成井さんにはすでにありますもんね。
成井
子供もいるしね。君も家族を持ったら、さらに今の気持ちが強くなるんじゃないかな。