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連載企画 流星ワゴンはこうして作られる第4回 阿部丈二 読者、役者、主人公・永田一雄として

成井
君は、重松さんの作品との出会いはどうだったの?
阿部
一番最初に読んだのは「その日のまえに」ですね。
成井
あれもボロボロに泣いちゃうよね。
阿部
はい、もうすごかったです。「流星ワゴン」は、出演が決まってから読んだので、キャラメルでやるという前提で読んだんですけど、非常に重たいという印象でした。いろんな課題と挑戦があるなぁと。でも、読めば読むほど、キャラメルでやる意義のある作品だなと思うようになったんですよね。読み終わった時に、とても前向きな気持ちになれるんです。
阿部丈二
成井
そうだね。永田っていう役についてはどう?
阿部
読んだときにはまさか自分が永田をやるっていうことは考えてなかったので、キャスティングを聞いて驚いたんですが、ものすごく精神的にきつい公演になるだろうな、と覚悟しました。で、稽古をやってみたらやっぱりきつくて(笑)。セリフの量ではなく、精神的にやっぱりずしんと来ます。でも、頑張ります。
成井
26年間やってきて、こんなに辛い気持ちになる主人公っていないと思うんですよ。でも、みんなで話し合っている中で「原作からえぐい部分をカットしすぎだ」「永田はもっと絶望すべきなんじゃないか」っていう意見が役者から出たじゃない?君も自分でそう言ってたよね。本人がもっともっと絶望したいんだ、っていうのを聞いて、覚悟決めてるんだなって思った。
阿部
永田の最後って、すごく幸せになるんじゃなくて、絶望の中から少しだけ浮き上がってくるくらいじゃないですか。でも、その「少し」の美しさ、すばらしさを見せるには、それ以前の沈む深さが大切なのかなって。できるかどうか不安ももちろんありますけど、踏み込まなくちゃいけないっていう使命感みたいなものがあります。
成井
昔『クローズ・ユア・アイズ』(2000年上演)で岡田達也が死んでしまう役だったんだけど、もう本番中みるみるうちに痩せて青ざめていって、後半、本当に病人のようだったよ。そうならないでね。
成井豊
阿部
僕、それに関しては対策をしていまして。まずは体が資本ということで、体重が増えるプロテインを飲んでるんです。もともと太りにくい体質なので、とにかく筋肉ではなく、脂肪を付けよう、と(笑)。
成井
……でも、見た目変わってないよね?!
阿部
やっぱりしんどいんですよね(笑)。まだセリフを覚えたり、世界観を深めている途中なので、睡眠時間も含めてキツイ部分もあるんですけど。あと夢も、やっぱりイイ夢じゃないんですよね(笑)。
成井
逃げ場ないじゃん!(笑)
阿部
でも、この話って悲劇じゃなく、最後に救いがあるじゃないですか。だから、その最後の「一歩」をしっかり経験できるようになれば、きっと変わってくるんじゃないかなと思ってるんです。
成井
そうだね。今は耐えるしかないんだね。
阿部
はい、頑張ります! では明日は、稽古場の様子を語りたいと思います。