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連載企画 流星ワゴンはこうして作られる第3回 成井豊 演出家と役者、稽古場での共同作業

阿部
キャスティングはいつ決めていたんですか?
成井
2年前ぐらいに企画を出した一番最初の時から、阿部丈二で行きたいって言ってた。だから、僕にとっては阿部丈二以外の主人公っていうのは想像できない。
成井豊
阿部
……嬉しいです。すごく嬉しい(笑)。実際稽古をしてみて、想像していたものとの違いってありますか?
成井
稽古の一番最初の読み合わせで満足したことって、今まで26年間で一度もないんですよ。特に新作の場合なんかはたいてい腹が立つんだよね。「おまえ、そう読むなよ!」って。
阿部
うわ〜(苦笑)。
成井
脚本を書き始める前には、キャスティングを全部決めるんです。だから、一ヶ月くらいかけて書いてる間にそれを想像して何度も何度も読み返すから、自分の中でほぼ読み方が決まっちゃう。だから、その通りに読んでくれないと腹が立っちゃって。
阿部
これからちょっと読みづらいですね(笑)。<
阿部丈二
成井
今回に関してももちろん満足はしなかった(笑)。でも、自分が正しくてみんなが間違っているってわけじゃもちろんなくて、勝手に自分の中で決めちゃってるんだよね。だから、長年やってきて、勝手な思いこみをしてはいけないっていうのもわかってるから、腹が立つのと同時に反省もするんだけどね。
阿部
稽古中に役者から質問があったりしますが、意外だったものってありますか?
成井
まずは、主人公の永田の経験が現実なのか夢なのか、っていう質問だね。僕からしたら、現実オンリーでも夢オンリーでもなくミックスされた世界、と捉えてたんだけど、役者によってはそれぞれ捉え方が違うんだっていうのが新鮮だった。稽古場では本当にみんなといろんな意見を話し合いながら進めていっているから、これからもいろんな考え方や意見が出てくるのが楽しみだね。
阿部
僕も、今回こんなにいろんな読み方があるんだっていうのにビックリしました。いろんな人の話を聞くのがおもしろかったですね。
成井
そういう解釈をぶつけ合うのはおもしろいよね。結局結論がすぐに出るわけじゃないから、これからもいろいろな可能性が出てくるしね。
阿部
僕が演じる永田自身も、自身が置かれている状況を理解しているわけじゃないので、いろんな人の考え方を聞くと、永田としての想像の選択肢も広がるから、とても勉強になります。
成井
じゃあ明日は、そんな主人公・永田一雄を演じる阿部くんにいろいろ聞きます。