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連載企画 流星ワゴンはこうして作られる第1回 成井豊 脚本家として最大級の難物に立ち向かう

阿部
これまで、キャラメルボックスでは小説が原作になっている芝居を何本もやってきましたが、この作品は脚本化するにあたってどうでしたか?
成井
今までで一番難しかったね。
成井豊
阿部
一番ですか!最も気を遣った点はどこですか?
成井
読んでいて辛くなる部分、えぐい部分、って、普段のキャラメルボックスの芝居ではあまり触れない部分じゃないですか。いじめの問題とか、奥さんの浮気とか。出てきたことがないわけじゃないんだけど、踏み込んで細かく表現したりっていうことはほとんどしてこなかったのね。それは、僕自身が、観ていて辛くなってしまうから。だけど、この作品はもう避けて通れないじゃないですか(笑)。
阿部
避けて通ろうとすると、逆に足の踏み場がなくなっちゃいますよね(笑)。
成井
(笑)そうなんだよ。どの辺まで原作を残すか、っていう加減が今までで一番難しかった。今までって、そのまま全部を舞台化すると長くなっちゃうからカットする、っていう作業だったんだけど、今回はどのエピソードも削れないんだよね。その難しさでした。
阿部
その中でも成井さんがこのセリフは絶対に残したい、って思ったものはありますか?
成井
原作ものをやる時は、名シーンと名セリフは全部残したいといつも思ってるの。でも、この「流星ワゴン」って、とにかく名シーンと名セリフが多いでしょ?
阿部
多いですよね!
阿部丈二
成井
これが苦労してね。でも、自分が好きだったセリフは、ほぼ残したと思う。
阿部
原作を読んでいて、成井さんがきっと残すだろうなって自分でも思っていたセリフが台本にもちゃんと残ってて嬉しかったです。
成井
そうでしょうそうでしょう!だから、どれか一つっていうと困っちゃっうんだけど、1シーン毎に必ず「これ!」っていうセリフがあるの。今回13シーンあるから、最低13個はある。だから、お客さんには全部観て聞いて、感動してほしいね。
阿部
そうですね。お客さんそれぞれにとっての名セリフもたくさんあると思うので、劇場で味わっていただきたいですね。では明日は、演出家としての目線に迫ります。