photo30 photo31 photo32
photo33 photo34 photo35

タカダ古道具店では「タカダサブロウ・オンテージ」が始まった。
昼休みになると、ハデな衣装を着たタカダさんが太鼓に合わせて歌うのだ。が、観客は誰もいない。
そこへ、レミとケンジ先生がやってきた。ケンジ先生が首の具合を説明すると、タカダさんはケンジ先生のスイッチを切って眠らせ、修理を始めた。
レミは宿題を手伝ってくれないケンジ先生に不満を持ち、なぜおばあちゃんが先生を買ってきたのか疑問に思っていた。

photo36 photo37 photo38

それを聞いたタカダさんはレミに言った。
「宿題を教えないというやり方で、こいつはあなたに別のことを教えたんですよ。」
そして、いつも何かを教えようとしているケンジ先生の言葉に耳を傾けて欲しいとレミに頼む。
修理が終わり、タカダさんがスイッチを入れると、ケンジ先生が目を覚ました。
ケンジ先生はタカダさんにお礼を言って、レミと一緒にナガサカ家に帰っていった。

photo39 photo40 photo41

ナガサカ家では、ママとパパがケンジ先生のことについて話し合っていた。
もう少し様子を見ようという態度のパパに、すぐにでもケンジ先生を返してくるよう、おばあちゃんに言ってほしいとママは訴える。そこへ、ケンジ先生とレミが帰ってきた。
レミは、ケンジ先生が宿題を手伝ってくれるかわりに、一緒に川に遊びに行ってきたのだと言う。
ママは、川のような危険なところでレミを泳がせようとしたケンジ先生に激怒し、家に入ることも禁じて、レミを連れていってしまう。

photo42 photo43 photo44

ママのことを気にして、庭で暮らそうとするケンジ先生を見かねたパパは、テントを建てようとする。
2人でテントを建てていると、空手着姿のパパを不思議に思っていたケンジ先生は、なぜそんな恰好をしているのかパパに尋ねてみた。パパは10年前からパソコンのホビーネットで空手を習っている。
が、まだ誰とも戦ったことはなかった。喧嘩で勝つためではなく、強い人間になるために空手の練習をしているのだとパパは言うが、本当の理由は別にあるのだった。
「私は気が小さいけれど、空手で自分を鍛えたら、言いたいことが言えるようになると思うんです。」
テントができあがると、ケンジ先生はさっそく中に入ってみた。パパも入ろうとしたが、ママに止められ、2人は家の中に戻る。外に出てきたケンジ先生は、空を見上げ、夜空を思い描き、歌を歌い始める。
一人で歌っていると、ソラコとトシコがやって来た。

photo45 photo46 photo47

トシコはケンジ先生に興味を持ち、是非会いたいと思って、ソラコについてきたのだ。
レミは家の中で宿題をしようと皆に言うが、ケンジ先生は家に入ることを禁じられている。
今日は宿題ではなく、星の勉強をしようと言うケンジ先生。が、まだ日が暮れていないので星は出ていなかった。そこで、トシコは音楽の勉強をしようと提案し、4人は歌を歌う。
そこへ、ママが気に入らない様子で入ってきた。パパがママをなだめていると、おばあちゃが帰ってきた。
その時、ソラコが夜空の星に気付いた。「私、星なんて、じっくり見るの初めて。」
はしゃぐレミに、ケンジ先生は言う。
「だったら、よく見てください。私たちの頭の上に広がっているのは、夜空じゃない。銀河という名の川が流れている、草原なんです。」
トシコが歌い、ケンジ先生、レミ、ママ、パパ、おばあちゃん、ソラコの6人が踊る。
幸福な、幻想的な世界が広がり、みんな子供のように遊んでいる。
トシコも疲れを忘れ、楽しそうだ。

photo48 photo49 photo49
photo49 photo49

が、そこへシラキ社長が部下を連れて、レミの家に乗り込んできた。
黙って出て来てしまったトシコを、シラキ社長たちが探しに来たのだ。
夕食までには必ず帰るから、もう少しだけここにいさせてほしいとトシコは頼むが、シラキ社長は承諾しない。トシコは、自分のいたい所にいられないなら、歌手をやめると宣言する。
それを聞いて、シラキ社長は言った。
「あなたの体は、あなたの歌を聞きたがっている、ファンのもの。あなたには、歌を歌い続ける義務があるのよ。」
その言葉に、トシコは目眩を起こす。
目の前が赤紫一色になり、よろよろと倒れ込むトシコ。
ソラコとレミは、トシコを家でゆっくり休ませてほしいと必死で頼むが、シラキ社長は病院に連れていけばいいと言って、相手にしない。
埒があかないと思ったソラコは、トシコを家の中へ連れていこうとする。が、それをシラキ社長の部下たちが止める。

2人を守ろうと、割って入ったケンジ先生を、部下の1人が突き飛ばし、もう1人がソラコの腕を掴む。
その時、レミがソラコを掴んだ男の手に噛みついた。
「ソラコ、逃げて!」
ソラコとトシコが外へ逃げる。レミは突き飛ばされ、倒れ込む。ケンジ先生がレミに駆け寄って、言う。
「こんな小さい子を突き飛ばすなんて。あなたたち、それでも人間ですか?」
部下たちはケンジ先生を殴り倒し、ソラコとトシコの後を追いかけようとする。
と、行く手にパパが立ちはだかる。しかし、パパは思わず体が動いてしまっただけで、立ち向かう勇気がない。躊躇しているパパの背中をレミが押すと、部下の1人が押しつぶされた。その隙に、レミはソラコたちの後を追う。が、パパは蹴り飛ばされ、うずくまってしまう。
シラキ社長の一番の部下であるクロサキが指示を出し、他の部下がレミの後を追う。
「娘さんに怪我をさせるつもりはありません。しかし、俺たちの邪魔をしたら、それなりの代償は払ってもらいますよ。」
クロサキはそう言い残して、走り去る。おばあちゃんとママはレミのことを心配して、パパに助けに行くよう頼む。ケンジ先生もパパと一緒にレミの後を追った。


次にすすむ

written by Etsuko Shirasaka
photograph: Kazunori Itoh
MIDI: Chikako Makita