原作

梶尾真治『未来あしたのおもいで』
(光文社文庫刊)


■脚本・演出

成井豊真柴あずき


■CAST


岡田達也
温井摩耶
岡田さつき
細見大輔
左東広之
多田直人
久保田晶子
稲野杏那

 
■ストーリー

4月、イラストレーターの滝水浩一は、熊本と宮崎の県境にある、白鳥山に登った。山頂近くで、突然の雨。上から駆け下りてきた女性とともに、洞窟に飛び込む。女性は、滝水がいれたコーヒーを飲むと、また雨の中へと去っていった。一冊の手帳を残して。手帳の最後のページには「藤枝沙穂流」と書いてあった。数日後、滝水は手帳を届けるため、沙穂流の家を訪ねる。ところが、その家に住んでいたのは、「藤枝詩波流」。よく似た名前だが、沙穂流とは全くの別人だった。はたして、沙穂流はどこに?


■原作者からのメッセージ

平成19年の五月、九州公演を終えた成井豊さんは、私のいる熊本まで足を伸ばされた。
その機会を利用して、私は成井さんを白鳥山へとご案内した。
本作の舞台となる山である。
それまで、風水害ですべてのルートが絶たれていたのだが、奇跡的に復旧していたのだ。
だから、熊本市から片道三時間の登山口までお連れする価値があると信じていた。
登山口に到着。そしてひたすら登った。
成井さんに見せたかった風景が、そこにあった。
主人公、滝水と沙穂流が初めて出会ったときに山の斜面一面に咲き乱れていた可憐なヤマシャクヤクの群生。
二人が心を伝えあった大自然の手になる岩屋。
私はただ、何故、白鳥山を舞台に幻想譚を書かずにいられなかったかを理解して頂きたかった。
それは叶えられたと信じている。
そして、その時成井さんはどのようなイメージで白鳥山を捉えられたのだろう。
その答えを今度の公演で知ることができる。
期待せずには、おれないではないか。

梶尾真治



原作

恩田陸『大きな引き出し』
(集英社『光の帝国』所収)



■脚本・演出

成井豊真柴あずき


■CAST


畑中智行
岡内美喜子
坂口理恵
大内厚雄
阿部丈二
小林千恵
小多田直樹
井上麻美子
鍛治本大樹


■ストーリー

小学4年生の春田光紀には、読んだものを「しまう」力があった。古事記も枕草子も平家物語も、一度読んだだけで完璧に暗記できるのだ。実は、光紀の両親も、姉の記実子も、同じ能力を持っていた。記実子は中学1年生で、近頃はシェイクスピアの原文を「しまう」のに凝っている。10月、光紀は学校から帰る途中で、一人の老人が道端に倒れるのを目撃する。慌てて駆け寄り、老人の肩を支えると、様々な映像がドッと流れ込んできた。それは、老人の七十年に及ぶ、人生の記憶だった……。


■原作者からのメッセージ

子供の頃、よく雑誌の後ろに「睡眠学習」という広告が載っていた。ある特殊な枕を使えば、眠っている間に楽々と暗記ができるというものである。誰もがその枕について知っており、何組の誰々が買ったらしい、という噂が飛びかった。結局、誰もその枕を見たことがなく、使った人にも会ったことがない。やがて広告は日ペンの美子ちゃんに取って代わられてしまった。今でも時々、あの枕が気になる。本当に存在していたのだろうか? 中はどういう仕組みだったのだろう? こうしてみると、春田一家の枕も怪しい。「虫干しする」なんていって、実は年に一度、あの枕を使っているのかもしれない。いや、きっとあの枕は、元々春田一家伝来の、特殊な枕だったのだ。その技術が民間に間違って流出してしまったため、常野一族が慌てて回収したのかもしれないのである。

恩田陸

photo:タカノリュウダイ
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