1996年2月18日。東京に雪が降ったその日、新宿はスペース・ゼロにて記念すべき「加藤昌史&まゆみ ザ・ウエディングショー」が開かれました。
演劇集団キャラメルボックスのプロデューサであり、キャラメルボックスをプロデュースする株式会社ネビュラプロジェクトの社長でもあり、前説五郎としても有名な...そう、加藤昌史さんが結婚したのです。お相手は「まゆみさん(旧姓 須子)」で、キャラメルボックスのお客さんなのでした。
この日はキャラメルボックス・サポーターズ・クラブに登録しているお客さんをはじめ、普段からキャラメルボックスに関係のある方々を招いての盛大なイベントとなりました。当日の模様をキャラメルボックスを応援する仲間「ななせさん」にご協力いただきレポートすることにいたしました!

ななせさん、ありがとう!!


【プロローグ】

前夜からの雪にもかかわらず参加者のみなさんはそれぞれおしゃれをしてスペースゼロに集合。ワクワク、ドキドキ。さてさてどんなウェディングショーになるのでしょうか?

会場であるスペースゼロのイスは全部とりはらわれ、あたかも披露宴会場「ゼロの間」のような雰囲気の空間が出来上がっていた。ゼロってイスをとるとこんな風になるんだー、と初めて知る。

中央には立食パーティー用のテーブルがあり、おいしそうなご馳走が並べられている。また壁際にはドリンクコーナーが。会場内では岡田達也さん今井義博さんのDJによる関係者からのリクエスト曲が流れ、劇団のみなさんが接待役で奮闘されていました。


【オープニング】

当初の予定を10分ほどすぎてからいよいよショーのはじまりはじまり。

総合司会はダッチこと篠田剛さん、もう緊張しているのがこっちにまで伝わってくる。「ガンバレ! ダッチ。タキシード姿がかっこいいよ」と心の中で声援を送る。
そしてアシスタントには関根麻美さんと前田綾さん。な、な、なんとおふたりともバニーガール姿で登場! 会場から(主に男性から)どよめきが起こる。「か、かわいい! し、しかも色っぽい」と心の中で喜ぶ。しかし同時に「キャラメルでここまでやっていいのだろうか?」と心配しながらもまだ喜んでいた。さすが女優さん、とっても綺麗。


【披露宴ビデオ上映】

新郎新婦が会場に着くまでにビデオの上映。まずは午前中にとりおこなわれた披露宴のビデオ(しかも編集までしてある)。そしてここで初めて新郎新婦の姿が・・・会場からは「オゥー!!」という歓声が上がる。お二人とも白のタキシードとドレスでとっても素敵です。
「花嫁さん、きれいな人じゃないですか〜。加藤さ〜ん」


【「こんな頃もあったスペシャル」ビデオの上映】

続いて石川寛美さんのナレーションによる生い立ちビデオの上映。お二人の生い立ちを8ミリカメラの映像と写真で構成。なんと新郎新婦の監修の下、編集されたスペシャルビデオだそうです。
映像の中の加藤さんはそれはもう大活躍。カメラ前でのサービス精神の旺盛さに現在の加藤さんが見え隠れしていました。


【新郎新婦入場】

司会はなんと有名なアナウンサーA.Fukuzawa。なんでも演劇集団「円」の養成所時代に大森さんとお仲間だった関係からだとか。うーん、知らなかった。

A.Fukuzawaのいつものあのテンションで会場内はだんだん盛り上がる。「新郎新婦の入場です」というアナウンスとともに天井から2つのゴンドラが下りてくる。ひとつのゴンドラには新婦が、しかしもうひとつは・・・あれ? 誰もいないぞ。どうしたんだあー。新郎はどこだ〜?
するとどこからともなく舞台中央にオペラ座の怪人が現れ新婦のことを窺っているでは ないか!
と、そこに新婦を守ろうとするゴレンジャーならぬ4人の戦士が登場。怪人の行く手を阻み、新婦を守ろうとするのだがつぎつぎと怪人に倒されてしまう戦士達。危うし新婦!
とうとう怪人が新婦のもとにたどり着いてしまい舞台中央へ連れさられてしまう。が・・・怪人が仮面をはずすと仮面の下からあらわれたのは加藤さんだった!! 


【新郎新婦の歌】
RCサクセションの歌、『ようこそ』にのせて新郎新婦の自己紹介とバンドメンバーの紹介。ここで初めて津田さんの旦那さんがどんな人なのかわかった。

【挨拶】

読売テレビ タチバナ氏、ユウキ氏、ウエムラ女氏


【乾杯 成井豊氏】
いつもわがままをきいてもらっているので今回は加藤さんのしたいようにしてあげるということで今日のショーが実現したとのこと。新しもの好きな加藤さん、たぶん世界で初めてであろうこのようなウェディングショーに満足しているのではないか、とのご挨拶。
時間が押しているとかで、涙を誘うようなスピーチは断念するとのこと。うーん、これも聞いてみたかったな〜。

【歌謡ショー・司会 加藤昌史】
アフロ奈美恵とスーパーモンキーズ
「TRY ME」
津田匠子・伊藤ひろみ・明樹由佳・関根麻美・小松田昭子
津田さん扮するアフロ奈美恵とおさるさん姿のバックコーラス&ダンス。ノリノリでかっこいい!! それにしてもアフロヘアーといい、おさるさんといい、なんでああまで似合っているのか!! おそるべしキャラメル女優陣。


SNAP 「がんばりましょう」
近江谷太朗(キムタク)・今井義博(ゴロー)・岡田達也(シンゴ)・篠田剛(ツヨシ)・菅野良一(ナカイ)・大内厚雄(モリ)
一瞬なにがおこったかわからなかった。が、次の瞬間場内大爆笑。お、おかしすぎる〜。す、すごすぎる〜。もう、完璧なりきっている〜。最後には近江谷さんが長髪のカツラを投げ捨てると下からハゲづらが・・・というオチまでありました。


くいしんぼーず 改め ぼんきゅっぼーんず
「ひょっこりひょうたん島」
大森美紀子・中村恵子・石川寛美
ひょうたん島の登場人物のコスプレをしての素敵な歌。ダンスもとってもかわいかったです。それにしてもおそるべしキャラメル女優陣 パート2。


西川浩二郎バンド
「ひまわりブルース」「北府中」「昌史とまゆみのゲロッパ」

取りをとるのはもちろんこの方をおいてありえません。1曲目はご存知「ひまわりブルース」。まさか生で聞ける時がくるとは思ってもいなかったので感激。2曲目はなんだか内輪ネタがふんだんに盛り込まれているらしい「北墓場」、じゃなくて「北府中」。
そしてアンコールに答えての最後の曲はアフロ奈美恵とスーパーモンキーズを加えての「昌史とまゆみのゲロッパ」。ところで「ゲロッパ」って何だ?


【挨拶 加藤兄弟】

あのイラストで有名な加藤兄弟の挨拶。引き出物にもなったパンフレットの表紙も描いているとのこと。このページの一番上のイラストがまさにそれです。


【「結婚ランナー」惑星ピスタチオ】


おもいっきり「破壊ランナー」のパロディー。加藤昌史ダイヤモンドがマッハ(速度)ならぬ好感度をあげて須子まゆみリンコのこころを射止める物語。
加藤昌史ダイヤモンドはプロポーズをかけたレースでファーザー須子の送り込んだ雷電とのトップ争いの最中にバーストを起こして負けてしまった。しかし、それでも必死になってプロポーズの練習をするチャンプ。それを見ていたまゆみリンコは、もうレースの出場権もないのになぜそんなことをするの? と問いただす。そして雷電との結納を止めてもう一度レースを行うと告げる。迎えたスペースゼロでの最終レース。突然サーキットに乱入した加藤昌史ダイヤモンドはどんどん、どんどん好感度をあげていき、ついに100万好感度に達するのであった!!


そして100万好感度に達したとき、それはたんなる「好感」ではなく「愛」と呼ばれるものであることを周囲の皆は知るのであった。こうしてみごと加藤昌史ダイヤモンドは須子まゆみリンコと結ばれる・・・。

ちなみに後日、この芝居の練習を新幹線の中でしていたという噂を聞いたが真偽のほどは確かではない。


【A.Fukuzawaによるクイズ大会!!】

入場の時にもらった○×カードを片手に持ち、A.Fukuzawaおなじみのコールを繰り返し、会場はいやがうえにも盛り上がる。「商品が欲しいか〜!!」「おぅ〜!!」
出題された問題はこちらです。さあ、あなたは何問できるかな?

まずは全員参加の○×クイズ。ここで20〜30人に絞って最終三択クイズへ。この結果、8問以上の正解者(満点が一人)が舞台の上へ。ちなみにわたしは7問正解でした。おしい!!
続いて、勝ち抜いた参加者による三択クイズで上位5人を決定する。あっさりと4人までは決まったが残り一人が決まらず古今東西ゲームで決めることになる。題目はキャラメルの上演作品名でした。


【クォータータイムシアター「銀河前説」】

「銀河旋律」の設定・世界をそのまま使ったパロディ。柿本光介(西川浩幸)とヨシノ(津田匠子)のニュースプラネットから物語は始まる。番組タイトルも再演の時のものをそのまま使用。
この物語ではタイムマシンがすでに実用化している時代で、時間管理局へ行ってお金を払えば誰でもタイムトラベルができる。タイムトラベルでは過去を変えることもできてしまう。過去が変えられた人は、変えられた瞬間に激しい目眩に襲われる。そして、1時間を過ぎると変えられる前の記憶は消えてしまうのだ。
平成8年4月4日、舞台で前説をやっている加藤昌史(今井義博)にいきなり目眩が。誰かに過去を変えられてしまったのだ。加藤さんはまゆみさん(岡田さつき)と結婚していないどころか出会ってさえもいないような過去に改変されていることに気がつく。

そして、まゆみさんはなんとキャラメルボックスのダッチこと篠田剛さんと結婚をしていたのだった! なぜならまゆみさんは加藤さんと出会うはずの電車に、乗る直前にホームで外国人に声をかけられて乗れなかったのだ。その外人こそ、タイムトラベルで過去を変えてしまった張本人、篠田さんだったのだ!

そのことを知った加藤さんは当日券の売り上げ30万円を持って時間管理局に行き、過去に向かおうとするが、30万だと2ヶ月前に15分しかいられないことが判明する。それでも加藤さんは過去に向かうのだった。まゆみさんの笑顔を取り戻すために・・・。

平成8年2月18日の新宿にタイムトラベルする加藤昌史。ここには15分しかいられない。ところが、まゆみさんの家のある日野市までは、特急に乗っても40分かかるのだ。そこに一人のライダーが現れた。 「ジャングル・ジャンクション」のバイオニック・キョウコ(坂口理恵)だ。ふたりを乗せてバイクは、一路、日野市をめざす。
滞在時間ぎりぎりになって、ついにまゆみさんに逢うことができた。
「好きでした。逢うのは今日がはじめてだけど、ずっとずっと好きでした!!」
告白をしたその瞬間、タイムトラベルの時間が切れてしまった。

そして、加藤昌史は平成8年の4月4日へと帰った。やはり彼は独身のままだった。しかし、泣いている暇なんかはなかった。翌日も下北沢本多劇場で公演がある。
「ようこそいらっしゃいました〜! と、いうわけで始まりました、キャラメルボックスのハーフタイムシアター・ダブルフィーチャー....あっ!」
いつものようにステージに飛び出した加藤さんの目に、客席にいるまゆみさんの姿が飛び込んできた。
「須子まゆみさんですか? はじめまして、前説五郎です」
「初めてじゃありません。2カ月前にお会いしました」
舞台から加藤さんの「失礼ですけど結婚は?」という問いに「いいえ」と答えるまゆみさん。そう、まゆみさんは結婚をしていなかったのです!!

こうして新たに出会ったふたりは・・・というところで芝居はエンディングを迎えるはずであったが、ここで突然語り手である岡田達也さんが「人前結婚式を挙げた2人なんですが、劇団員やお客さんの前ではやっていない!」。ということで突如人前結婚式に。
宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」にをベースにまずは劇団員がセリフを、続いて参加者がそれを復唱。これを繰り返して、最後に加藤さんとまゆみさんが誓いをして無事に人前結婚式は終わり、おふたりはわれわれの前でも永遠の愛を誓ったのでした。


【加藤さんのお父さんの言葉】

新郎新婦のご両親と仲人さんが舞台に。代表で加藤さんのお父さんが挨拶をされました。自分の思っている方向には進んではくれなかったが、今日のこのウェディングショーに出席して、進んだ方向は間違っていなかった、こんなに多くの人に支援されるということはこれもまた立派なひとつの方向である。出席者のみなさまありがとうございます、そしてこれからもよろしくお願いしますという内容の挨拶でした。


【新郎新婦の歌】

加藤さんの今日はどうもありがとうという挨拶のあと、最後はやはり歌で盛り上がりましょう!! ということで「勝手にシンドバット」をみんなで合唱。そして加藤さんが愛情を込めて「まゆみ」を熱唱し、前代未聞のウェディングショーは幕を閉じたのでした。


【お見送り】

新郎新婦が出口にてお見送り。ひとりひとりにお礼の言葉と引き出物をわたしてくれる。ちなみに引き出物の中身は、Tシャツ・ぺんたてくん・焼き菓子&紅茶・そしてパンフレットでした。


【エピローグ】

最初オールスタンディングということでちょっとつらいかな? と思っていましたが、どうしてどうしてあまりの内容の濃さと面白さであっというまの3時間20分でした。もう、食事をする暇なんかありません。前の方の場所を確保するのに夢中でしたし、舞台が始まるともうくぎ付け状態でした。

出演者のみなさんは本当に加藤さんの結婚のことを喜んでいるんだな〜、ということがヒシヒシと伝わってきました。そして声援や拍手だけではありましたが、その場で一緒にお祝いできたことをとても嬉しく、誇りに思いました。

最後に昌史さんまゆみさん、本当におめでとうございました。そしてこんなことをやっ てしまうキャラメルボックス、大好きです!!



illustration: Reijiro Katoh
Photograph: Kazunori Ito
Text: Nanase & Masuda